夕方の電話

夕方、大和市の女性から甲高い声の電話が入った。
「馬鹿息子の部屋がごみ屋敷になってしまっているの!息子は片付けたく無いと言っているけれど、私の裁量で必ず片付けてしまいたいので、明日早く見積もりに来てよ!!」と言うことだった。
「行きます!やります!終わらせます!あなたが望むことならば!
あなたの理想の実現に!今日も心血注ぎます!
虹の彼方にあるという!古代ギリシャの理想郷。
あなたのための片付け師!それが貴方のアーカディア!」。

今日は冷蔵庫の搬出を

前日依頼があった冷蔵庫の搬出のために市内のあるお宅へ。到着すると可愛いミニチュア犬、「ころちゃん」が迎えてくれた。
興奮した「ころちゃん」は、台所でウンチをしてしまい、飼い主のおじいさんがあわてていた。
戻ってきてから昨日のうちにトラックに積んでおいた木屑や資源化できるものの施設への搬入を済ませた。
午後トラックの排気管周辺から異音が出ると言うので、いすゞ自動車の工場へ持っていったが、夕方になって、「異音は改善されないが、走らなくなることはない」との回答が来たため、SLKに息子を乗せて工場へ引き取りに向かった。
「親父飛ばしすぎだよ!」と、息子が。
私は心の中で「メルセデスは飛ばして何ぼの車だよ!」と、つぶやくのであった。

また女を泣かせてしまったⅡ

13時30分に市庁舎の前で彼女にあった。立ち話もおかしいので、私の車に乗っていただき、作業の報告をさせていただいた。作業を依頼してきたときより声が明るくなっていたのは、やっと重荷を下ろすことが出来たからなのだろう。「猫はどこにいました?」と聞かれたので、「テレビジョンセットの右前の壁側にいたので、写真は撮ってありますが、ご覧になりますか?」と話すと、「ちょっとだけ」と言われるので携帯の画像をお見せすると、彼女は涙を流してしまった。
「また女を泣かせてしまった!」。
2年間以上不在だった部屋は早速大家に返すといっていた。
餓死させられた猫も辛かっただろうが、それをさせてしまった彼女の方がもっと辛かっただろう。理由はお聞きしなかったが・・・・・

また女を泣かせてしまった

昨日は七時半に出発し、横浜南区の1ルームマンションへ。鍵を送ってきた女の子の部屋だ。エレベーター周りの養生を済ませ、早速作業に入った。少なく見えてもそこはごみ屋敷。三人がかりで必死の作業が続く。手前がだいぶ片付いてきて奥のテレビの周りもほとんど大きなものが片付いたとき、その恐怖が訪れた。依頼人から事前に聞いていた猫の死骸が横たわっていたのだ。すでに二年経っていたこともあり、猫の頭部はすっかり骨だけになっていた。体の部分はうすべったい毛皮のまま残っていた。近隣から異臭がすると、管理会社にたれ込みがあったのもうなずける状態だった。4時間ですべて片付き、トイレも清掃し、従業員を先に事業所に戻し、私だけが市庁舎の前で、依頼人の彼女と待ち合わせ、報告と集金をすることになった。
写真は作業前と作業後